群青の民

秩序の奴隷

泡沫の歌に謳われて

あの日の僕は、早く大人になりたいと思っていた。自由な大人がとても羨ましかった。それなのに───
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こんにちは、今年で中学生になりましたリナアップルベリーです。

夏真っ最中、皆さんは如何お過ごしでしょうか?私は覆水なのでお盆はかえらないです!w(ドッ)(会場が湧く音)
夏は花火大会、あるいは海水浴へ行き大海を臨むのも良いかも知れません。でも、どれだけ夏を謳歌しようとも満たされない心、あの頃に戻りたい…

今日も今日とて郷愁おじさん

──はやく大人になりたいな♪

かつて私が文字通り子供だった頃、某アニメのEDで流れた曲。当時はこの言葉にとても共感していました。

ぼく「大人って勉強しなくていいよな~」
友達A「大人ってお金使い放題でゲームし放題だよな~」
友達B「大人ってエロいこと出来て羨ましいよな~」

きっと全国のキッズ達(複数形に達…)も皆こう考えていたのではないでしょうか?いつもガミガミうるさい大人達は、ゲームを好きなだけ買えて好きなだけプレイできる。それなのに普段ゲームをプレイしなくても平気な程自由を謳歌している。勉強からさえも解放されたこの世で一番偉い存在、それが大人。

──もう一度子供に戻ってみたい。

大人は全く自由じゃなかった。責任の鎖と世間体の枷に縛られた存在、沈みかけの泥船を漕ぐことを強いられて消費されるだけの部品。それが大人。

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大人はもう嫌だ。あの頃、共に大人への憧れを語った旧友達とこの気持ちを慰め合おう…

ぼく「子供に戻りたいよな?」
旧友A「懐かしいけれどそこまでじゃないな」
ヤリチンB「う~ん、今が最高!w」

どうやら僕は一人取り残されていたらしい。

あの頃に恋焦がれている今は、いつか恋焦がれるあの頃

中学生になると小学生の頃が懐かしかった。高校生になると中学生の頃が輝いて見えた。大学生になると高校生活が人生で一番楽しかったように思えた。
結局、子供に戻りたいだの大人になりたくないだの、そういう問題ではなかった。僕一人過去に後ろ髪を引かれながら、楽しいはずの今を蔑ろにして、過ぎ去った今を取り戻そうとまた過去に惹かれていただけだった。それの繰り返し。大学院に進んだ今、案の定学部時代を懐かしんでいる。きっと来年社会に出てもそうなんだろう。

分かってはいたんだ、覆水は盆に返らない。前を見るべきだって。でもきっと、このままそれを繰り返して死ぬんだろうな。もう一度子供に戻ってみたいと思い続けながら、ある日、老いた体で「大人も楽しかったんじゃないか?」と後悔するんだろうか。だとしたら、死の間際の走馬燈で、生涯をかけて想い続けた""あの頃""にまた戻れるのだろうから、それはそれで幸せな幕引きを迎えられるんだろうな。